コラム

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 間もなく今年も終わりですね。
 1月に事務所を開設してから、あっという間に1年が過ぎようとしています。年齢を重ねるにつれて1年が早く感じます。
 
 今年お伺いしたご相談の中では、家族の問題に関する相談が多かったなぁと印象です。
 家族の問題は他人に簡単に相談することができず、弁護士に相談する段階ではトラブルが深刻化してしまう傾向にあります。関係が親しければ親しいほど、問題になったときにその反動で感情的な対立が大きくなってしまうのでしょう。
 ご相談に対し、どのような姿勢で解決に臨むかは弁護士によって異なってくる部分があります。怒りの気持ちや非難する言葉をそのまま相手に伝える方針を取る弁護士もいるかと思いますが、私はそのような方針は原則として取りません。
 感情的な言葉には必ず相手も反発します。攻撃的な言葉の応酬は紛争の解決を遠ざけることが多いです。 本当に相手に伝えたいことは何なのか。怒りや非難ではなく、悲しさやつらい気持ちではないか。本当に伝えたい気持ちを丁寧に汲み取り、適切に表現することが弁護士には求められます。少なくとも弁護士が介入することでかえって感情的な対立が深まるような事態になることは避けるべきでしょう(特に家族の問題)。
 私自身も日々反省することばかりですが、このようなことを考える機会が多くあった1年でした。

弁護士 成 田 騎 信